home / Ground

Ground Vehicle(農作業ロボット)

農業用ロボットの開発

-農業用ロボットの開発-

なぜロボット農業? 日本の農業従事者の平均年齢は年を追うごとに高齢化の一途をたどっており,農家の労働力不足は深刻です。この問題を考えたとき,ロボット農業は一つのキーテクノロジーではないかと私たちは考えます。田畑における農作業の8割以上を占めるトラクタ作業を完全自律化,あるいは一部自動化することにより,労働力不足を補うことができます。また,ロボット農業となればこれまでの農業のイメージは刷新され、人々の関心を集めることができるのではないでしょうか。

-1号機ポチ-(写真右)

使用機関は機関出力が3kWの火花点火機関。スロットルの開閉は手動で行うものです。使用した変速機・クラッチはバインダ用の前進3段,後進1段のもので,変速機の操作も手動で行います。前輪アクスルはアッカーマンリンク付きの小型農用トラクタ用アクスルを,後車軸デファレンシャルは減速比1:4の普通乗用車用デファレンシャルギアを流用しました。 車両の計測・制御には搭載したPCによって以下の計測・制御が可能です。
計測項目
車軸回転速度(ロータリーエンコーダ)、ヨーレート(地磁気方位センサ)、車両位置(視覚センサ位置計測装置)、実舵角(ポテンショメータ)、駆動トルク(ストレインゲージ)
制御項目
クラッチ(リニアドモータ)、ブレーキ(電磁ブレーキ)、ステアリング(ステッピングモータ)、エンジン停止(スイッチ)
1号機のシステムは、ロボットトラクタ本体と、基地局と呼ばれる無線のデータ送信装置から成っています。イメージセンサを圃場内に2つ設置し、これらがロボットに付けられたマーカを認識することによって位置を計測し、データとしてロボットに送信します(図1)。車輪の滑りも考慮に入れて計算しているので、ポチはぬかるんだところも自在に走ることができるのです。


図1 ロボット1号機の位置計測システム

-2号機タマ-

株)クボタ製GL320に自動走行ができるようさまざまな改造を施した車両。制御可能項目は車両の前進・後進・停止,ステアリング,作業機の上下,機関回転数(最大と手動設定値の2段階),です。また観測項目は車両の前進・後進・停止,ステアリング角,作業機の上下位置,機関回転数。これらの車両への命令,データの読み出しは全てRS232Cを通して行われます。これらのシステムの観測,制御はすべて車両に搭載されたPCコンピュータによって行います。
2号機の位置計測システムはGDS(Geomagnetic Direction Sensor)を採用しています。GDSは地磁気方位センサと呼ばれるもので,地球上どこにでもある地磁気を計測する電子コンパスとして機能します。地磁気は時間や場所により変化していきます。そこで精度補償を行うためにGDSと光ファイバージャイロ(FOG)を組み合わせています。

-3号機-

(株)クボタ製MD77という77PSのトラクタをベースに改造されたものであり、ロボット機能としてステアリング、前進・停止・後進、PTOのオンオフ、3点リンクの上下、シフト変速、設定機関回転数などをコンピュータを介して制御することができます。ナビゲーションセンサとして、RTK-DGPSとFOGがキャビン内部に設置されています。また、キャビン上部に取り付けられているGPSアンテナ位置の傾斜補正を行うための姿勢角計測装置IMUも搭載されています。 自動走行に関しては、まず各作業行程ごとにナビゲーションマップというものを読み込んでから作業を開始します。各行程中は常にGPSによってポジショニングを行ない、GPSによる位置データとFOGによる車両方位からあらかじめ設定された目標経路に対する横方向偏差と方位偏差を逐次算出し、これらの値を最小にするようにステアリングコントローラを設計しています。ここで、ナビゲーションマップとは目標走行点に作業状態をコードした点列のことで、自律走行をする上で必要不可欠なものです。ナビゲーションマップは緯度、経度、ロボットの作業状態を表すコードから成り立っており、そのコーディングデータを解凍することによって自律作業が可能となります。
無人薬剤散布作業の様子